「FX会社に口座は開いたけれど、トレードって実際どうやるの?」

「やり方なんとなくわかるけれど、いきなりリアルマネーで取引するのは、どうも・・・・」

 

FXを始めようとして、いざ、トレードという時に、戸惑ったりためらったりする人は、決して少なくはありません。誰でも初めての現金口座でのリアルトレードは、ドキドキするものです。

 

今回、そんな皆さんにご紹介したいのが、FXの仮想資金によるデモトレードです。デモトレードを経験すると、初めてのリアルトレードで感じる、余計な不安やとまどいがきっと軽くなるはずです。デモトレードで準備を整えて、リアルトレードへステップアップしてみましょう。

 

FXのデモトレードを行うメリット

 

FXのデモトレードとは

 

FXのデモトレードとは、現金口座とほぼ同じ環境で、仮想資金を用いて為替取引を体験することができる、FX会社のサービスのことです。

 

 多くのFX会社がこのサービスを提供しており、それぞれの会社のウェブサイトにある専用申込みフォームで、簡単な登録をすれば、だれでも無料で利用することができます。

 

 また、1カ月や3カ月といった、利用期限を設けているFX会社がほとんどですが、中には無期限で利用できる会社もあり、実際に現金口座を開いているいないにかかわらず、自分が利用したいと思ったときに、何度でも無料で利用できるという、大変便利なサービスです。

 

仮に、FXのトレードを自動車学校の教習にたとえてみると、仮想資金を用いるデモトレードは、教習所内にある模擬コースの練習にあたるでしょう。一方、現金を用いるリアルトレードは、一般道での路上教習といったところです。

 

つまり、デモトレードなしにリアルトレードを行うのは、一度も自動車を運転したことのない人が、いきなり、路上で自動車を運転するようなものです。トレードで頼りになるのは自分だけですから、いざというときに、隣でブレーキを踏んでくれる指導教官もいないことになります。

 

自動車の運転の場合、事故を起こすリスクが高くなるのと同様に、トレードでは、瞬く間に自己資金を無くすというリスクが高くなります。

 

自動車学校の教習にはお金がかかりますが、FXのデモトレードは一切お金がかかりません。そう考えると、デモトレードを利用しない手はないでしょう!

 

ただし、FXのトレードでは、デモトレードはしないほうがよいと考える人も大勢います。反対の主な理由は、「デモトレードとリアルトレードでは、心理状態が全く異なるのでトレードの練習にはならない。」もしくは、「デモトレードを行うと緊張感のない、いい加減なトレードをする癖がついてしまう。」といったものです。

 

確かに、デモトレードには反対意見のような一面もあり、筆者も全くそれを否定するつもりはありません。しかし、今回は、リアルトレードをまだ経験したことのないような、初心者の方に向けた内容になっており、その点では有益なものだと考えています。あくまでも筆者個人の考えとしてお読みいただければと思います。

 

FXのデモトレードでやっておきたいこと3つ

 

では、デモトレードでいったい何をやればいいのでしょう?

ここでは、デモトレードで、ぜひやっておきたいことを、3つポイントにしぼって述べてみたいと思います。

 

  • 1.ツールの操作や機能を確認しよう!
  • 2.注文と決済を繰り返し練習してみよう!
  • 3.いろいろなトレードを試してみよう!

 

ツールの操作や機能を確認しよう!

 

まず、初めにやっておきたいのは、ツールの使い方と機能に慣れることです。

 

チャートの画面を開くと、そこにはたくさんのツールボタンやタブがあります。最初はよくわからないものもあると思いますが、ひととおり操作してみましょう。ざっくりとでよいので、どこに何のボタンがあるのかを確認しておくと、今後のトレードがスムースに進みます。

 

注文と決済を繰り返し練習してみよう!

次に繰り返し練習しておきたいのが、注文と決済の操作です。

 

注文の際には、設定がいくつかあるので、間違えずに行うことが大切です。「ユーロ/米ドルの通貨ペアをトレードしているつもりが、よく見たら米ドル/円で取引していた。」などというのはやりがちなミスです。せっかくのトレードチャンスを逃してしまいます。

 

また、想定外の値動きに慌てて決済をしようとしても、決済ボタンの場所がすぐにわからなかったり、思わず操作を間違ってしまい、その間にどんどん含み損が膨らんでいくということも、最初のころには割と頻繁に起きがちです。

 

デモトレードである程度操作に慣れていれば、これらのミスは防ぐことができます

 

下は、注文を出すときに使うダイアログボックスです。FX会社によって多少の違いがありますが、内容的にはどこも同じです。実際の取引をイメージしながら説明していきましょう。

 

注文方法を決めよう

「成行き注文(なりゆきちゅうもん)」とは、買いたい(売りたい)と思ったときに、そのタイミングで注文を入れる、最もスタンダードな注文方法です。まずは「成行き注文」を選んでおきましょう。

 

ほかにも、指値注文(さしねちゅうもん)、逆指値注文(ぎゃくさしねちゅうもん)、IFD注文(あいえふでぃーちゅうもん)、OCO注文(おうしいおうちゅうもん)、IFO(あいえふおう)注文がありますが、これは別の機会に紹介したいと思います。

 

通貨ペアを選ぼう

シンボルのところに「USDJPY」と表示されているので、通貨ペアのことです。ここで自分が取引をしたい通貨ペアを選びます。

 

通貨ペアについては、このブログのコラム「通貨ペアってなに?通貨ペアの特徴と通貨ペアの選び方!」で取り上げましたので、そちらを参考にしてください。

 

ロット(取引量)を決めよう

ロット」とは、その通貨の最小取引単位のことです。

 

例えば、スーパーで卵を買おうと思ったら、普通は卵1個ずつのばら売りはしていませんので、1パック買いますね。つまり、卵の最小取引単位は1個ではなく、10個まとめた1パックということになります。 

= 1パック(最小取引単位)

 

 

 

ロットも同じようなもので、1ロットは原則1万通貨を表し、1万通貨が取引の最小単位となります。例えば、USD/JPYの1ロットは、米ドル1万通貨なので1万米ドルになります。仮に、この時1米ドルが日本円で100円であれば、1ロットは日本円で100万円になます。

=1ロット(最小取引単位=1万通貨)     (=1米ドル100円であれば、1万通貨は100万円)

 

 

また1ロットのことを1枚と枚数で呼ぶこともあります。さらに、最近は、FX会社によっては、1ロットを1000通貨に設定しているところも増えてきました。取引が1/10の資金でできるので、最初に必要な資金も安くて済むことになります。

 

とりあえず、最初は1ロットで注文してみましょう。

 

「損切(そんぎり)」と「利確(りかく)」

「損切」も「利確」もあらかじめ自分で設定しておく決済取引の金額です。

 

例えば、「sell(売り)」の注文を出したとします(⑤)。レートが117.610円まで下がると、自動的に決済されて50pipsの利益が確定します。これを「利確(りかく)」といいます。逆に、レートが117.720円まで上がった時にも決済され、この場合は30pipsの損失が生じます。これを「損切(そんぎり)」といいます。(pipsピップスは、為替レートの値動きの最小の単位です。)

 

どうして損失が出るのに損切を置くのでしょうか?

 

確かに「損切」では損失が出てしまいます。しかし、自分が許容できる金額で、あらかじめ「損切」を設定しておけば、予測と反対方向に大きくレートが動いたとしても、少額の損失で済んで、それ以上の損失の拡大を回避できるのです。

 

FXでは、資金を使い果たしてしまうと退場せざるを得なくなります。そのため、資金管理が大変重要と言われます。損切は、やむを得ず少額の損失を出すことによって、多額の資金を守るシステムです。損切注文のことを「ストップロス注文」ということがありますが、まさに、損失(ロス)を止める(ストップ)注文だからです。

 

最後に買い注文(buy)か、売り注文(sell)判断して、ボタンをクリック

これで注文が完了しました。

 

そして、もう1つ。何より大事なのが決済注文の操作です。ツールボタンの中にいつでも決済ができるボタンがあります。位置をしっかりと確認しておきましょう。トレード中は、何が起きるかわかりません。状況が急に変化して、すぐに決済をしたいと思うことがしばしばあるものです。そんな時に慌てずに済むようにしておきましょう。

 

いろいろなトレードを体験してみよう!

 

せっかくデモトレードの講座を開いたので、いろいろなトレードを体験してみましょう。

 

通貨ペアを変えてトレードをしてみる

 

通貨ペアにはそれぞれ値動きに特徴があるので、自分がやりやすいと思う通貨ペアとそうでない通貨ペアがあるものです。デモトレードでいくつかの通貨ペアを試してみるとよいでしょう。違いを感じることができると思います。

 

時間帯を変えてトレードをしてみる

 

例えば、日本時間で午前11時と午後11時では、同じ通貨ペアであっても、値動きの仕方が異なります。なぜなら、取引をしている市場が時間帯によって移り変わるからです。

 

FXでは、1日の時間を、各市場の取引時間に合わせて、東京時間、ロンドン(欧州)時間、ニューヨーク時間と呼びます。そして、それぞれの時間帯ごとに値動きの仕方に特徴があるのです。時間帯の特徴を利用して、利益が出るようなトレードをためしてみましょう!

 

各時間帯の特徴については、このブログのコラム「時間帯を制するものはFXを制す!FX初心者が負けずにコツコツ稼ぐためにおすすめの時間帯とは。」に詳しい記事がありますのでそちらをご覧ください。

 

FXの教科書やブログなどで、「初心者のうちはやめておきましょう」と書いてあるトレードもこの際ですからやってみよう

 

ット数を思い切り上げてトレードしてみる。通貨ペアは「殺人通貨」とも呼ばれる、値動きが荒いポンド/円にする

 

「評価損益」に示される金額が、プラスにせよ、マイナスにせよ、あっという間に信じられないような大きな額になるはずです。ロット数をあげればあげるほど、プラスになった時の金額が跳ね上がり興奮しますが、マイナスになった時の金額もぞっとするほど大きくなります。

リアルトレードではこれが、現実として起きることを肝に銘じておく必要があります。ット数は、1ロット1万通貨の取引であれば1ロットで、1ロット1000通貨の取引であれば5ロットを越えないように心がけたいところです。通貨ペアは米ドル/円がよいでしょう。

 

のちのちは、自分の原資とスキルに応じてロット数や通貨ペアを決めてください。

 

経済指標でトレードしてみる

 

「経済指標」とは雇用や物価、景気、金融政策等々、その国の経済状況を数値化したものです。経済指標が発表されると、相場はその瞬間に、大きな値動きをすることがあります。そのため、株式市場や為替市場の関係者は常に経済指標に注目しています。

 

経済指標の値動きを上手に利用して大きな利益を上げるベテランもいます。しかし、トレードに慣れないうちは、急な価格変動についていけずに、損切にあったり、強制ロスカットされたりしてしまいます。

 

リアルトレードでは、最初は避けておきたいトレードですが、デモトレードで経験してみるとよい経験になると思います。

 

ほとんどのFX会社が重要度を施した掲載指標の予定を示していますので、それを利用するとよいでしょう。

 

デモトレードができるFX会社

 

デモトレードの口座が開設できるFX会社の中から主なものをピックアップしてみました。最近は、PCだけでなく、スマホやタブレット用の取引ツールまで提供してくれる会社も増えてきました。

 

トレードがスマホやタブレットが中心という人は、ぜひ自分が利用するツールのデモ版を試しておくとよいでしょう。PCとスマホでは、ツールの使い勝手が異なることが多いからです。

 

リアルトレードで使うFX会社がまだ決まってない人は、取引ツールの使い勝手も参考にするとよいと思います。トレードのたびに使うので、大事なポイントです。

 

デモトレードができるFX会社

会社名

有効期間

PC

スマホ

タブレット

GMOクリック証券

1カ月

DMM.com証券

3カ月

みんなのFX

無期限

 

 

外為オンライン

原則無期限

 

外為どっとコム

90日間

 

YJFX!

30日間

ヒロセ通商LIONFX

3カ月

JFX

3カ月

楽天

90日間

 

マネックス証券

30日間

 

 

(2020年7月1日調査)

 

まとめ

 

今回は、仮想貨幣によるデモトレードについて紹介しました。

 

現金口座のリアルトレードに「タラレバ」はありません。そんな世界で、「トレードを始めたばかりなのに資金を使い果たしてしまいトレードができなくなってしまう。」そんなことにならないように、デモトレードでできるだけリスクを減らしておきましょう。

 

今回のポイントは次の3つでした

 

1.ツールの操作や機能を確認する!

2.注文と決済を繰り返し練習してみる!

3.いろいろなトレードを試してみる!

 

特に、2の注文と決済の操作は、十分に練習しておくときっと役にたちます。

 

メンタルこそが重要、と言われるリアルトレードです。デモトレードの経験をフルに生かして、落ち着いてリアルトレードにチャレンジしていきましょう!