FXでは相場の流れに従ってエントリー(売買)する「順張り」というテクニックと、相場に逆らってエントリーする「逆張り」というテクニックがあります。初心者に向いているのはどちらの手法でしょうか?それぞれの手法について今回は解説します。
そもそも順張りって何?順張りで勝つコツってあるの?
順張りとは、相場が上昇局面で買いの取引をする、あるいは下降局面で売りの取引をすることです。右肩上がりの時に買い、右肩下がりの時は売り、ということです。トレンドに乗る、という言い方もされます。
続いては順張りの取引のコツについてです。どこで買えばいいか、あるいは売ればいいかの目安は大きく3つあります。
1.レンジブレイクで入る
2.トレンドの発生を見つけて入る
3.押し目で入る
以下、図表を交えて解説します。
レンジブレイクでの正攻法!上手な入り方とは?
レンジとは直訳すると範囲のことで、為替の世界では値幅のことを指します。つまりレンジ相場とは、一定の値幅を行ったり来たりする相場です。レンジの値動きが崩れればトレンドが発生しやすので、そこでエントリーする方法がいわゆる正攻法です。図の②の部分で前回高値を上抜けしています。ここから入れば、トレンドの最初からポジションを持つことができるので、大きな利益が期待できます。
反面、「だまし」といって、レンジブレイクに見せかけて戻ってくることもあります。FXが一筋縄でいかない理由はここにあります。レンジブレイクを狙っていて前回高値を下回ったら、それが損切りのタイミングになります。
勝率アップの秘訣!トレンドの発生を見つけての入り方とは?
レンジを抜けて明らかに上昇局面(あるいは下降局面)になったのを確認してエントリーします。図の①のタイミングです。ただし、トレンドを確認してからのエントリーなので、後追いとなり、「天井買い」「底売り」になるリスクはあります。例えば、図の①から青色に下がる場合です。この場合、前回高値を下回ったところが損切りポイントとなります。
押し目での基本的な入り方とは?
トレンドが発生している場合、一方的に相場が上がっていくわけではありません。例えば上昇局面では、大きく上がって少し下がることを繰り返し、徐々に値を上げていきます。この少し下がったところを「押し目」と呼びます。図の③のところです。
押し目買いはトレンドに逆らわずに、少しでも安く買う、あるいは高く売ることができる手法で、比較的安全性が高いエントリーポイントです。
逆張りって何?逆張りでも勝てるコツとは!?
逆張りとは上昇相場での売り注文、下降相場での買い注文のことです。レンジの上下での取引と、どんどん上がってくればそろそろ下がるだろう、逆にどんどん下がってくればそろそろ上がるだろうという取引があります。
逆張りで勝つための基本的な入り方は主に3通りです。
1.レンジ相場の天井での売りで入る
2.レンジ相場の底での買いで入る
3.売られすぎで買う、買われすぎで売る(値ごろ感)
以下、図表を交えて解説します。
レンジ相場で負けにくい逆張りの入り方
レンジ相場では上値の抵抗ラインと底値の抵抗ラインが存在します。順張りの説明で「レンジブレイク」を説明しましたが、この抵抗線を抜けると新たなトレンドが発生したとみることができます。
ただし、ではレンジブレイクしなければどうなるかと言えば、抵抗ラインに跳ね返って元のレンジに戻っていくのです。例えば、このレンジの幅がドル円で「105.00円~105.50円」とします。下値の抵抗ラインが105.00円で上値の抵抗ラインは105.50円となります。
逆張りとは、105.00円で買いで入ること、あるいは105.50円で売りで入ることです。それまでの動きと逆にポジションを取るので「逆張り」と呼ばれます。
ただし、5分足でレンジでも、1時間足ではトレンド、というのはよくあることなので、自分がどの時間足で勝負しているかを明確にしないと大きな損失を被ることになります。具体的には、どの程度抵抗線から離れたら損切りするかを決めておく必要があります。
トレンドの終わりを予測しての逆張りの入り方
以下の図表のようなタイミングです。
90円台から100円の大台を回復、さらに101円に到達したタイミングです。順張りでは買いで入りますが、逆張りでは売りで入ります。「買われすぎ」との判断で、トレンドに逆らい売るのです。もちろん勘では無く、各種インジケーターで判断します。インジゲーターとはチャートの動きを色々な視点で可視化したもので、相場の動きを分析するためにとても有効な手段です。いくら分析をしても予想が外れることはあり、そうなれば一度も含み益を持つことなく、逆方向に持っていかれます。反面、101円が天井だったとすれば、大きな利益を上げることができます。
初心者が負けないためには何と言っても順張りがおススメ
トレンドに逆らわずに、相場の流れに自然に乗ることができるのが順張りです。また、トレンドは一度できてしまうとなかなか終わらないという特徴を持っています。逆張りは相場の反転を的確にとらえないと、一方通行で損を抱えることになります。その時はレンジ相場だと思っていても、後からチャートを振り返ればトレンド相場だった、というのはよくあることです。
例えば過去にリーマンショック、東日本大震災、ギリシャショックなどで逆張りをした多数のトレーダーが破産に追い込まれています。過去の抵抗線がすべて突破されたのです。相場の反転はプロにも分からないのです。
トレンドに乗ってエントリーし、トレンドが終わればエグジットするという順張りがFX初心者には無難です。損切りのタイミングが分かりやすいのも利点です。トレンドの終了=損切りです。
まとめ
初心者は順張りがおススメと紹介しましたが、これは決して「逆張りは間違い」という意味ではありません。様々なテクニカル指標とトレーダーの経験をもってしても難しいのが逆張りなのです。図表では簡単に説明しましたが、レンジ相場の逆張りは簡単そうで実は難しいのです。
相場に逆らってポジションを持つので、反転するまで損失を持ちこたえなければなりません。損切りのポイントを厳格に決める必要があります。逆張りは反転を待つメンタルの強さも必要です。
資金管理的にもメンタル的にも、FX初心者は逆張りに向いていないのです。「そろそろ反転する」という気持ちをぐっとこらえて、素直に順張りをすることが、初心者がFXで利益を上げるコツです。