FXトレーダーの中には、自動売買プログラムを利用したトレードに関心を持っている人も多いと思います。

FXで長期間持続的に勝っている個人投資家の大半はこの自動売買プログラム利用者だと言われています。

日本ではシステムトレードと言われますが、これは和製英語で英語ではアルゴリズミックトレードと言われますが、今日はこの自動売買プログラムで勝つためには何が必要か、重要なポイントをいくつかご紹介したいと思います。

1.機械的取引に徹し長期的運用を志向する。

 

まず自動売買プログラムの長所は、何といっても人の介入を減らすところにあります。

人の一喜一憂する感情に右往左往されずに、徹頭徹尾ルールに従って取引する利点を利用できるということです。

自動売買による取引は時には短期的に見た時には損失を出す場合もあるため、損失を出たのを目の当たりにして、手動に切り替えたくなる衝動に駆られるでしょうが、ここは自動プログラムによる取引に任せなければなりません。

ですから、自動売買プログラムで、短期的に結果を求めるのは危険です。

短期的に大きな利益を出したい人は自動売買を使うのはやめた方がいいでしょう。

自動売買プログラムでは短期的に大きな結果を出すことはできませんが、長期的運用を通してハイリターンではなく安定した利益を出すことができるのです。

2.基本的知識を理解して資金管理ができる。

次に、自動売買システムを利用するからといって、FXに関する基本的知識がなくていいわけではありません。

どの通貨ペアで取引するかやトレンドを見てどの戦略を使うかを決めたり、大きなイベントがある時には為替相場が変動する可能性があるので自動売買を停止させるといった人為的部分は必ず必要であるため、手動でトレードをするのと同じような知識は習得しておく必要があります。

また、売買自体はルールに則って自動で行いますが、資産管理やポートフォリオの決定などは自分で行わなければいけません。

しかしこれらを感情に左右されず合理的にできなければ、FXトレードで勝つことはできません。

また自動売買は取引手数料が手動よりも高めですので、取引を頻繁に行うと手数料が高くついたりしますので、こうした点も自分で判断しなければいけません。

3.自動売買プログラムの実績をチェックする。

また自分が使用する自動売買プログラムについてきちんと理解しておく必要があります。

自動だし、「勝率が90%」だと宣伝しているからこれは勝てるぞと信じ込んで、中身を知らないでただ売買を行うだけで勝てるように簡単なものではありません。

トレーダーは使っているプログラムの長所と短所を知っておかなければなりませんし、他のプログラムと比較してどう違うのかなどを知っておく必要があります。

何故なら、これは後で出てきますが、トレーダーは同じプログラムを機械的にただ使うのではなく、トレンドの変化に応じていくつかのプログラムを使い分ける必要があるからです。

プログラムを理解する上で最低限トレーダーが注意すべき点には以下のようなものがあります。

平均的に稼げるプログラムを使う。

自動売買プログラムの中には、「1ヵ月で資産が倍増」などと言ったハイリターンを歌っているものがありますが、ハイリターンは裏を返すと、ハイリスクを伴うということを決して忘れてはなりません。

金融工学的にハイリターンはハイリスクと背中合わせなのです。

市場がハイリターンを出せる特定のトレンドにある時には良いのですが、それと違うトレンドが来た時にはハイリスクになる可能性が高いのです。

自動売買プログラムが本当に稼げるものになるためには、ハイリターンは期待せずにローリスクで安定して稼ぐことを基本として押さえておくことが必要です。

繰り返しになりますが自動売買は長期運用向きなのです。

「有料プログラムは儲かる」は間違い。

自動売買プログラムには無料と有料がありますが、有料プログラムの中には「絶対に儲かる」と宣伝しているものがありますが、こういう宣伝を信じてはいけません。

もし、そのプログラムが本当に儲かるものであるとすれば、宣伝するのではなく、こっそりと自分だけの秘密として使って大きな利益を上げるようにするのではないでしょうか。

バックテストではなくフォワードテストを行う。

使いたいプログラムが収益を出せるかどうかを確認する方法として、出資した時点以前のバックテストで評価する場合が多いですが、バックテストはあくまでも過去のトレンドに対して収益を出せるかどうかのテストです。

これでは出資以降のトレンドに対して利益を出せるかどうかはわかりません。

したがって、必ずチェックしなければならないことは、プログラムが出資された後の取引でバックテストと同程度の実績を出せているかを確認する必要があります。

4.プラットフォームを適正化し、戦略を選んで使い分ける。

プログラムのプラットフォームにはいくつかの種類があります。

代表的なものは以下の2つです。

・メタトレーダー(MT4)
・ミラートレーダー

 

メタトレーダー(MT4)は中級・上級向けで戦略を自分で作成できますが、経験と実績がないとなかなかできるものではありません。

なおMT4は開発元のMetaQuotesサイトから無料でダウンロードできます。

もう一つのミラートレーダーは初心者向けで基本的パラメータは固定されています。これを提供しているのはセントラル短資FXです。

この2つから自分に合ったプラットフォームを選択すればいいのですが、ここで気を付けることがいくつかあります。

複数の戦略を導入して使い分ける。

自動売買プログラムの戦略を組み立てる時、一つの戦略にこだわって使い続けるのはリスクが多すぎます。

市場はトレンドが常に変わりますので、変わったトレンドに合わせて戦略を使い分けることが重要です。

例えば、大きく分けるとトレンドには右肩上がりのトレンド、右肩下がりのトレンド、ボックス相場に分けることができます。

ボックス相場は全体の7割程度に対してトレンドがはっきり出ている相場は3割程度です。

1つの戦略だけを使うのではなくいくつかの戦略を確保して置いて、相場の変化に合わせてその相場にあった戦略を選択して使い分けなければ自動売買プログラムでも稼ぐことはできません。

つまり、自動だからと言ってほったらかしておいてはいけないということです。

戦略が機能しているかチェックする。

つぎに、自分が選択した戦略が効果を上げているかを見極めるために、その戦略を用いた実績がどうであるかを評価することが必要です。

そのために必要な指標は以下のようなものです。

間近10回の取引で収益を上げているか。

 

10回の内回数でいえば6対4で勝っているとしてもトータルの金額で損失を出している場合、その失敗がその後も持続する可能性があります。

勝利した回数だけでなく、実際に利益を出しているかを確認する必要があります。

最大ドローダウン(損失額)が時間と共に増えていないか。
・損益のグラフを作り、そのグラフが右肩上がりになっているか。
平均利益と平均損失の関係、最大利益と最大損失の関係を確認する。

 

平均利益は平均損失よりも高くなっていなければなりませんし、最大利益は最大損失よりも高くなっていなければなりませんが、こうした関係を常に確認することが必要です。

これらの指標を自分で作って評価しながら自分が選んだ戦略が正しいかを細かく確認して行かなければなりません。

また、それと同時に市場で公表されている経済ニュースやマーケット情報も常に確認して、これが相場にどのように影響していくかを考える努力も必要です。

このように、自動売買プログラムを使っているからと言って安心するのではなく、資産管理と利用するプラットフォームの選択およびその評価はきちんと行っていくことを忘れないでください。

5.まとめ

以上、自動売買プログラムで勝つ方法について説明してきましたが、同じプログラムを使っていてもFX業者によって為替の動きが微妙に異なるため、結果に差が出ることがあります。

プログラムの開発業者も複数のFX業者に対して全てチェックしているわけではないので、こうした誤差は出てしまうのですが、こうした点については率直にFX業者に質問して確認したらいいと思います。

また国内のFX業者はスプレッドを最低限に抑えていることもあって、顧客が大勝すると業者が損をする仕組みになっていると言われています。

そのため、自動取引で大金をかけて取引すると、約定が不利なように操作している可能性があります。

またもう一方の海外FXの場合は、スプレッドを大きめに取っているために自動売買に向いていないとも言われます。

いずれにしても、自動売買を利用する場合は大きく勝つことよりも、安定して確実にコツコツと勝つことを目標に行っていくのが良いでしょう。