チャートを見ていても、なんだかつかみどころがないんだよねぇ・・・?
そんなときは、ラインを引いてみるといいんじゃないかしら。きっと分かりやすくなると思うわ!
ライントレード
ライントレードとは何か
ライントレードとは、チャートに水平線や斜線を引いて、これを基準にエントリーや利益確定を行うトレードの方法です。
やり方はとてもシンプルなので、初心者の皆さんにもぜひおすすめしたいと思います。
ライントレードは、シンプルでありながら、とても有効な方法です。なぜなら、ほとんどのトレーダーは、必ずといっていいほどライン活用しながらトレードを行っており、チャート上のラインは、多くのトレーダーの意識を反映していると考えられるからです。
ラインの種類
トレードで用いる主なラインには次のようなものがあります。
・サポートライン → 安値を支えている水平線
・レジスタンスライン → 高値を押さえている水平線
・トレンドライン → アップトレンドの場合は、谷を結んだ斜線。ダウントレンドの場合は、山を結んだ斜線
・チャネルライン → トレンドの山を結んだ斜線と、平行な位置関係で引くことができる谷を結んだ斜線
サポートライン
サポートラインとは何か
サポートラインとは、下値支持線の意味で、相場が下落するときに抵抗となる安値の価格帯です。
多くの投資家が、この価格帯を安値として意識しているために、「売り」注文よりも「買い」注文の圧力が強い価格帯です。
そのために、価格が下降してきても、値動きが反発して上昇する動きとなりやすい場所です。
しかし、一旦、価格がサポートラインを下回ると、「ラインを抜けたら売ろう」と考える投資家の売り注文と、「買い」注文のトレーダーが設定していた損切注文とが一緒になって、価格は大きく下降することになります。
サポートラインの引き方
サポートラインは、同じ価格帯の複数の安値を水平線で結んで引きます。
下のチャートにサポートラインを引くとすれば、どこに水平線を引くとよいでしょう?
少なくとも、2か所以上の安値と接している水平線を、サポートラインとしてみなすことができます。数多くの安値と接している水平線ほど、強力なサポートラインと考えられます。
ローソク足に引くラインの位置
ラインはローソク足のヒゲ先で引くのかそれとも実態で引くのか、ということがよく話題になります。
筆者の場合は、ローソク足のヒゲ先で引いたラインと実態で引いたラインに挟まれたゾーンを、サポートライン(サポートゾーン)として考えています。
そして、レートがゾーンに到達したら、いつでも急な値動きがあるものとして監視するようにしています。
確かに、どちらに引いてもそれぞれに根拠があり正しいと思いますが、実際の相場では、ライン調度のところでレートが反応することもあれば、少しずれたところで反応することもあるからです。
サポートラインを用いたエントリー方法
買い注文の圧力による反発を利用して、エントリーを行います。ピンクで示した部分がエントリーポイントです。
サポートラインを下ぬけした場合は、大きな下落が期待できるのでエントリーチャンスです。ピンク1で示したエントリーポイントは再び上昇して、サポートラインを上抜けするケースがしばしばあるので要注意です。いわゆる「だまし」とよばれるものです。リスクの高いエントリーになるので見送りましょう。
ピンク2で示したエントリーポイントがおすすめポイントです
レジスタンスライン
レジスタンスラインとは何か
レジスタンスラインはサポートラインと対になる平行線です。サポートラインの逆をイメージすると分かりやすいでしょう
レジスタンスラインとは、上値抵抗線の意味で、相場が上昇するときに抵抗となる高値の価格帯です。
多くの投資家が、この価格帯を高値として意識しているために、「買い」注文よりも「売り」注文の圧力が強い価格帯です。
そのために、価格が上昇してきても、値動きが反発し下降する動きとなりやすい場所です。
しかし、一旦、価格がレジスタンスラインを上へ抜けると、「ラインを抜けたら買おう」と考えていた投資家の買い注文と、「売り」注文のトレーダーが設定していた損切注文とが一緒になって、価格は大きく上昇することになります。
レジスタンスラインの引き方
同じ価格帯の複数の高値を水平線で結んでいったものがレジスタンスラインです。
下のチャートにレジスタンスラインを引くとすれば、どこに水平線を引くとよいでしょう?
同じ価格帯の複数の高値を水平線で結びます。
レジスタンスラインを用いたエントリー方法
買い注文の圧力による反発を利用して、エントリーを行います。ピンクで示した部分がエントリーポイントです。
レジスタンスラインを上へ抜けた場合は、大きな上昇が期待できるのでエントリーチャンスです。ピンク1で示したエントリーポイントは再び下降して、レジスタンスラインを下抜けするケースがしばしばあるので要注意です。リスクの高いエントリーになるので見送りましょう。
ピンク2で示したエントリーポイントがおすすめポイントです
ロールリバーサル(サポレジ転換・レジサポ転換)について
相場では、それまでサポートラインとして機能していた平行線が、一旦下方向に抜かれると、その後レジスタンスラインとして強く機能する、ということがしばしばみられます。
逆にそれまでレジスタンスラインとして機能していた平行線が、一旦上方向に抜かれると、その後、サポートラインとして強く機能するということも同様に起きます。
このような現象を「ロールリバーサル」(役割の交換)といいます。「サポレジ転換」や「レジサポ転換」と呼ばれるものと同じです。
このロールリバーサルによって役割を転換した平行線は、転換後のエントリーの目安となるラインとして、多くの投資家たちが注目するので、極めて強力かつ重要なラインになります。
上の図の、緑のマークは、サポレジ転換後にエントリーするのが適当なポイントです。高い勝率が期待でき、エントリーのチャンスとなります。
トレンドライン
トレンドラインを用いたエントリー方法
相場は、基本的に3つに状態に分けられます。①上昇トレンド(右肩上がり)、②レンジ(横ばい)、③下降トレンド(右肩下がり)です。
上昇トレンドの場合は、波の山と谷でいえば、谷の部分を直線で結んだものです。
エントリーのタイミングとしては、トレンドの「押し」の部分に切り下げラインを引いておき、ローソク足がトレンドラインで反発し、切り下げラインを上抜けるのを確認してからエントリーします。
早すぎると、ローソク足がトレンドラインをそのまま割ってくるということもあるからです。
下降トレンドの場合は、山の部分を直線で結んだものです。
エントリータイミングについては、アップトレンドと同じ要領で、「戻り」に切り上げラインを引き、ローソク足がトレンドラインで反発し、切り上げラインを下ぬけたタイミングでエントリーします。
早すぎると、ローソク足がトレンドラインをそのまま割ってくるということもあるからです。
上のチャート図のように、切り下げラインを割った後に、1度戻りが入ることもしばしばみられます。戻りを待ってエントリーすると、より確実なエントリーになります。
トレンドラインを使ったエントリー方法については、同じコラムの「FXデイトレードのやり方!初心者のための押さえておきたい4つのポイント!!」にも詳しい記事があるので、参考にしてください。
チャネルライン
チャネルラインとは
トレンドの谷をつないだ斜線と、平行な位置関係で山をつなぐ斜線を引いたものが、チャネルラインです。
チャネルラインの引き方と使い方
チャネルラインは、トレンド転換時に引くと、とても効果的に利用できます。
トレンドが転換した段階で、2つの谷を通る直線を引きます。その直線を最初の山に接するように平行移動します。これでチャネルラインができました。
「エリオット波動理論」では、「推進波は、2本の平行線の間に挟まるように形成されやすい」と述べられています。(「主な8つのガイドライン4」)
つまり、チャネルラインを引くと、その間でレートが上昇したり下降したりすることになります。そのため、チャネルラインを基準としたエントリーや利益確定が大変やりやすくなるのです。
もちろん、これは原則であって例外があるのはいうまでもありません。必ずそのことを頭において、チャネルラインを利用してください。
まとめ
今回は、ライントレードについてお伝えしました。4つのラインについて振り返ってみましょう。
サポートライン・レジスタンスライン
サポートラインは、安値を支えているライン、レジスタンスラインは高値を押さえているライン。
エントリー方法としては、ラインでの反発を狙ったエントリーとラインブレイクを狙ったエントリーが有効。ラインブレイクしたレートはブレイクの後に値が戻ることが多いので、もう一度反発を待ってエントリーする!
ラインブレイクをした後は、ロールリバーサル(サポレジ転換・レジサポ転換)が起きることを予測して、エントリーポイントをねらい撃ち!
トレンドライン
アップトレンドでは谷を結んだ斜線。ダウントレンドでは山を結んだ斜線。
エントリー方法は、アップトレンドではトレンドラインまで引き付けて、切り下げラインを利用して押し目買い。ダウントレンドではトレンドラインまで引き付けて、切り上げラインを利用して戻り売り!
チャネルライン
トレンド転換後に山側のラインであれば谷川に、谷川のラインであれば山側に平行移動させた一組ラインのこと。
値動きは平行線の中を上下する可能性があるので、ラインをヒントにエントリーポイントや利益確定ポイントを探る!
早速、チャートにラインを引いてみてはいかがでしょうか。無秩序に見えるチャートにきっと規則性が見えてくるはずです!
参考「一番売れてる投資の雑誌ZAIが作った『FX』入門」
著者:羊飼い 発行元:(株)ダイヤモンド社